半導体製品の開発に携わるお客様より、電磁界シミュレーションのためのワークステーションをご相談いただきました。
具体的な用途はCOMSOLの利用で、ハードウェアとしては200GB以上のメモリと1TB以上のストレージを搭載することが条件です。将来的にメモリを200GB以上に増設できる余地があるなら、初期出荷状態では128GBでもよいと伺っています。CPUは、COMSOLを波動光学モジュールで使用する際、メモリ200GBを要する大規模な三次元計算を高速に処理できるCPUをご希望いただいています。
これらの条件を踏まえて、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | Intel Xeon W7-2575X 3.00GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 22C/44T |
メモリ | 合計128GB DDR5 5600 REG ECC 32GB x 4 |
ストレージ | 1TB SSD M.2 NVMe Gen4 |
ビデオ | NVIDIA RTX A1000 8GB (MiniDisplayPort x4) |
ネットワーク | on board (1GbE x1 /10GbE x1) |
筐体+電源 | ミドルタワー筐体 + 1000W 80PLUS PLATINUM |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
その他 | 外付USB DVDスーパーマルチドライブ |
拡張性のあるメモリ構成
メモリは32GBモジュールを4枚で、合計128GBとしました。 空きスロットが4つありますので、将来のメモリ増設にも対応しております。200GB以上のメモリ容量を実現するには、既存のモジュールと同じ32GB x4枚を追加する方法が一番シンプルな増設です。
一方で、本構成にて採用しているCPU (Xeon W7-2575X) は最大メモリチャンネルが「4」のため、処理速度を重視する場合はメモリモジュール4枚で 合計256GBとなる構成が理想的です。その場合は、既存の32GBモジュール x4枚を取り外し、64GBモジュール x4枚に交換するのが最も効果的です。COMSOLはメモリ帯域速度を重視するソフトウェアですので、処理速度を重視する場合はご一考ください。
クロック数が低いと計算に時間がかかる?
CPUはIntel Xeon W7-2575X (22コア) を採用しています。お客様のご認識通り、CPUのコア数が多くてもクロック数 (1コア当たりの処理速度) が低ければ、計算時間が延びる可能性があります。しかし、最新のCPUであれば、極端にクロック数が低いことはありません。COMSOL MultiphysicsとLumerical FDTDは、複数のモデルを並列に処理する場合などにコア数が活きてくるソフトウェアですので、コア数が多いCPUの有効性は高いです。また、メモリチャンネル数も重要で、COMSOLでは4チャンネル以上のCPUが推奨されます。
なお、ビデオカードには両ソフトの描画用として最適なNVIDIA A1000を選定しています。
■キーワード・COMSOL Multiphysicsとは ・Lumerical FDTDとは |
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