並列計算を利用した流体解析用マシン

食品の研究開発に携わるお客様より、Ansys Fluentが出来るだけ高速に動くワークステーションの導入をご相談いただきました。

手持ちのNVIDIA Quadro RTX 6000が利用できることが条件で、将来的にはグラフィックカードを合計2枚搭載する可能性もあると伺っています。
将来的な拡張性を考慮して、電源容量は100V環境における最大容量をご希望です。
コストよりもマシンの能力と安定性が検討における重要なポイントで、その他の条件としては以下のように伺っています。

・CPU:128コアでの並列計算ができる程度
・メモリ:128GB
・ストレージ:2TB M.2 SSD、 8TB S-ATA HDD
・筐体:できるだけ小型
・電源:100V環境における最大容量
・OS:Windows 11 Pro
・使用するソフトウェア: Ansys Fluent ver.2022R2

お伺いした条件を踏まえて、弊社からは下記の構成をご提案しました。

CPU AMD Ryzen ThreadripperPRO 5995WX (2.70GHz 64コア)
メモリ 256GB REG ECC
ストレージ1 2TB SSD M.2
ストレージ2 8TB HDD SATA
ビデオ NVIDIA Quadro RTX 6000(支給品)
ネットワーク on board (10GBase-T x2/Wifi 6E)
筐体+電源 ミドルタワー型筐体 + 1500W
OS Microsoft Windows 11 Professional 64bit

AMD EPYCとOSの対応

128コアを搭載する場合、EPYCの採用が必要となりますが、EPYCはWindows11 Proに対応していません。
Windows Serverであれば対応していますが、コア数ベースのライセンスのため、OSが非常に高額となってしまいます。

Windows11に対応したAMD Ryzen ThreadripperPRO

そのため、ご希望のOSであるWindows 11 Proに対応しているAMD Ryzen ThreadripperPRO 5000シリーズを搭載した構成をご案内しました。
AMD Ryzen ThreadripperPRO 5995WXは64コア/128スレッドの製品のため、スレッド単位であれば128の並列計算を行うことも可能です。

 

電源容量は1500Wを選択しています。
なお、1500Wは200V環境で使用した際の最大出力で、100V環境では最大で1300W程度の出力です。
また、本構成は2枚のグラフィックカードを搭載することが可能な構成です。

本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
いただいた条件に合わせて柔軟にマシンをご提案いたしますので、掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。

■キーワード

・Ansys Fluentとは

Ansys Fluentは、米国のANSYS Inc.によって開発されている流体解析ソフトウェア。 攪拌、熱交換器、風力タービン、バッテリー、回転機械、気液システム、電動モータなど、多種多様なシミュレーションに対応し、正確で信頼性の高い流体シミュレーション結果を生成することができる。 。

参考:ANSYS Fluent (ANSYS, Inc) ※外部サイトに飛びます