国際共同の「アルテミス計画」が世界中で注目されています。去る2022年は宇宙産業にとって傑出した年といわれており、NASA(アメリカ航空宇宙局)が提案した月面探査プログラム、ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ、 アルテミス計画1号機の無人技術実証も成功しています。さらには無人探査機を小惑星に衝突させる「DARTミッション」の最初の試みも行われました。
そして今年2023年、いくつもの月面探索が予定される「月面探査機の年」になる可能性があります。
そこで今回は、弊社で取り扱っておりますISRUテクノロジー(In-Situ Resource Utilization; 現地で入手可能な資源を利用した)開発と、月・惑星探査用のハードウェアテストを行うための、Exolith Lab のレゴリス類似材料をご紹介します。
Exolith Lab社とは
Exolith Lab社は、宇宙探査の持続可能な未来の開拓と、この分野のさらなる発展に必要なツール提供に専念しています。微粒子を含むレゴリスシミュラント専用の研究機関であり、レゴリスの疑似生産と応用研究を行っています。高忠実度再生技術を提供することで、世界中の研究者や教育者を支援し、宇宙の発展と成長に貢献しているメーカーです。
レゴリス類似材料について
月や火星・小惑星の土壌は、粉末状の微粒子で覆われていることが分かっています。Exolith Lab社のレゴリスは、NASAおよび Deep Space Industries社と連携し開発された、月と火星からの惑星サンプルに基づいたレゴリス類似物質です。
レゴリスの使用は、宇宙環境・資源利用(ISRU)に繋がります。低コストで合理的かつ安全な検証ができることから、科学、探査、建設、生物学およびエンジニアリングのシミュレーションなど、実にさまざまな分野での活用が進められています。
基礎・応用研究の例
- 植物の育成(生物学的知見、生体工学)
- プラズマや物理検証など(基礎物理研究)
- 宇宙放射線や紫外線の生物影響(宇宙生命科学)
- 月探査・軟弱地盤走行用のローバ
- ロボット技術
- 月面構造設計(ガラス繊維、ブロック、コンクリートなどの資材)
- 3Dプリント
- 医療課題研究(身体への有害性)
- 電力、太陽電池 など
惑星の模擬物質データベースについて
模擬物質のカテゴリ
- General purpose: 複数の特性(化学、鉱物、地質工学)に一致するように設計
- Geotechnical/Physica: 地質工学/物理学の特性を再現するために設計
- Spectral: 参照物質の反射スペクトルまたは発光スペクトルに一致するように設計
- Magnetic: 磁気特性を複製するように設計
- Unknown: そのほか
レゴリス模擬物質の種類
- Lunar Dust and Volatile-Rich Simulants: 月の塵(月面の粉塵)と揮発性物質
- Lunar Highlands Simulants: 月の高地
- Lunar Mare Simulants: 月の海
- Martian Simulants: 火星
- Asteroid Simulants: 小惑星
- Phobos Simulants: フォボス(火星の衛星)
- Comet Simulants: 彗星
詳細はメーカーWebサイトをご参照ください
Regolith Simulants
https://exolithsimulants.com/collections/regolith-simulants
お取り扱い実績の一例
Lunar Highlands (LHS-1) High-Fidelity Moon Dirt Simulant
Apollo 16号のサンプルに基づいた土壌の粒子径分布と一致するよう目標設定された、月面の一般的な高地に適した鉱物ベースのシミュラント(類似石、土壌模擬物質)です。地球上の数種類の鉱物で構成されています。鉱物や岩石の断片を正確な比率で組み合わせることによって、月のレゴリスの質感も正確に捉えています。
Specification
Simulant Name: LHS-1 Lunar Highlands Simulant
Simulant Type: General Purpose
Reference Material: Average Lunar highlands
Uncompresse Bulk Density: 1.30 g/cm3
Mean Particle Size: 90 μm
Median Particle Size: 60 μm
Particle Size Range: <0.04 μm – 1000 μm
Mineralogy
Plagioclase(Anorthosite): 74.4
Glass-rich basalt: 24.7
Ilmenite(FeTiO3): 0.4
Pyroxene: 0.3
Olivine: 0.2
Geotechnical Properties
Grain Density: 2.75 g/cm3
Void Ratio: 1.1
Porosity: 52.7%
Max Angle of Repose: 47.5°
Cohesion: 0.311 kPa
Angle of Internal Friction: 31.49
お取り扱いについて
上記でご紹介しましたLHS-1 は、現在、凝集粒子やナノ相鉄粒子をシミュレートしていません。 中間成熟したルナハイランド・レゴリスに特徴的な膠着物を模擬した膠着模擬物質LHS-1-25Aもございます。また、ご要望に応じてカスタムのシミュレートされた凝集剤混合物も入手できます。まずは取り扱い可否を確認いたしますため、ご相談ください。
このほかにもさまざまなラインアップがございます。お問い合わせの際にはご希望の製品名・型番をお知らせください。お問い合わせの際にはご希望の製品名・型番をお知らせください。
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