動物の行動解析用ツール”DeepLabCut”がTensorFlow 2に対応しました

テガラ株式会社 技術部です。

今回は、最近弊社のPC製作サービス TEGSYSへのお問い合わせの際に、利用するソフトウェアとしてご連絡いただくことが増えてきた、動物の行動解析用ツール”DeepLabCut”に関しての情報をご紹介したいと思います。

DeepLabCutとは

スイス連邦工科大学ローザンヌ校の Mackenzie Mathis 教授を中心としたチームによりオープンソースで開発されている、動物の行動解析を目的としたソフトウェアです。

DeepLearning の手法を応用することにより、動画をベースとした高度な行動解析をGUI操作にて行えることが大きな特徴です。GUI操作を行えることにより複雑なコマンド操作を必要としない利便性、また機能そのものが動物の行動解析において非常に有用なことから、現在注目が高まっております。

DeepLabCut公式サイト
http://www.mackenziemathislab.org/deeplabcut

 

TensorFlow 2 への対応

上記のように広く有用性が認められる DeepLabCut ですが、最近まで一つの技術的な問題を抱えていました。DeepLabCut は DeepLearning の基盤として TensorFlow を利用する形で実装されていますが、リリース当初から TensorFlow 1 を前提としており、その後リリースされた TensorFlow 2 への対応が進んでいませんでした。これにより Ampere 世代の NVIDIA GPU にそのままでは対応することができず、最新のGPUリソースを活用することが難しい状況が昨年後半から続いていました。

しかしながら、2021年6月の 2.2rc3 リリースにより、待望の (?) TensorFlow 2 への対応を盛り込んだアップデートが行われ、Ampere 世代の NVIDIA GPU を標準的にソフトウェアで利用することが可能となりました。

Tensorflow 2.x will be the new default in DeepLabCut! (2.2rc3 up now!)
http://www.mackenziemathislab.org/deeplabcutblog/2021/6/30/tensorflow-2x-is-the-new-default-in-deeplabcut

弊社でもさっそく動作検証を行い、Ampere 世代の NVIDIA GPU を搭載した Windows 10,Ubuntu 18.04, 20.04 上の DeepLabCut にて、GPUによる高速な処理が可能なことを確認しております。

【参考】DeepLabCut インストール&動作要件を満たしたPC

テガラでは、お客さまからのご要望を受け、DeepLabCut を弊社にてインストールしたコンピュータを販売しております。例えば以下のようなマシンの提案実績がございます。

 

お客さまのご要望に合わせた仕様構成でのご提案も致しますので、ご用命の際はTEGSYS WEBサイトよりお問い合わせいただけますと幸いです。

この記事を書いた人 : 技術部 和田
この記事を書いた日 : 2021.8.10