先月 (2020年9月)、NVIDIA社の新型GPUであるRTX 30シリーズ が発表されました。その最上位モデルである RTX 3090の、マルチGPUとして使いやすい 2スロット かつ 外排気クーラータイプがリリースされましたので、早速テストを行いました。
検証に利用したハードウェアは以下のとおりです。ストレージは検証OSごとに変更しているため記載しておりませんが、SATAタイプの SSDを利用しています。
- CPU:Intel Xeon-W 2155 (3.30GHz,10コア)
- メモリ:256GB
- GPU:NVIDIA GeForce RTX3090×2
- 1000W電源 80PLUS PLATINUM
RTX 3090 について
今回検証を行っておりますRTX 3090の概要スペックは以下となります。
CUDAコア | 10496 |
CoreClock | 1695MHz |
Memory Size | 24GB |
Memory Type/Clock | GDDR6X/19500MHz |
CardBus | PCI-E 4.0 x16 |
Card Size | L257mm W111mm H40mm |
Power Connectors | 8pin x2 |
※消費電力はチップメーカーのNVIDIAモデルでは350Wとなりますが、今回のカードにつきましてはカードメーカー側で正式に表記がないため上記に記載をしておりません。
今回のテスト環境である、GPU2枚が実装されている写真がこちらになります。
写真だけですとわかりにくいかもしれませんが、以前の RTX 2080 Tiシリーズとカードサイズ感はあまり変わりません。
ただし、重量は大幅にアップしており、前世代のモデルである RTX 2080 Ti が 817g (本体のみ実測)であったのに対し、今回のRTX 3090は 1,391g (本体のみ実測)と、大幅に重量がアップしておりました。
OSでの動作状況
今回は Windows10 Pro 64bit / Ubuntu 18.04 / Ubuntu 20.04 の3種について、動作確認を行いました。それぞれのOS上にてドライバを導入する事で動作する事を確認いたしました。
また、この後の動作検証につきましては、基本Ubuntu 18.04 で実施した結果となります。
高負荷時の動作
今回のGPUは前世代に比べ、消費電力が大幅に増加しております。そこで先ほどの写真のように、2枚の RTX 3090 を詰めて搭載した状態での高負荷時の検証を行いました。
以下GPUへの負荷テストは、CUDAToolkitサンプルのnbodyを 2GPU指定で動作させた場合の検証となります。
まずGPU温度は、冷却FANの付近に隙間の無かった先ほどの写真の状態で 上側GPUが 約83℃前後となり、FAN付近にスペースのある下側GPUが 73℃前後である事が確認できました。SettingパネルのThrmal Sensor Information上でのSlowdown Tempは 95℃に設定されているのが見て取れますので、少し温度面では余裕がありますが、上下の温度差より、やはり複数枚搭載した場合は温度管理には注意が必要である点がうかがえます。
なお、上記の負荷状態でケース外側のGPU排気口付近の温度を計測した物が下記となります。
T1 (上段の大きな表示)の値が上側GPU排気温度、T2 (右下の小さな表示)の値が下側GPU排気温度となります。かなり排気口付近の温度が高温になりますので、設置場所にも注意が必要となります。
また、消費電力についても、上記の2枚負荷時計測 (コンセント部での計測)では、ほぼCPUに負荷のかかっていない状態でも約860W程度を使用しており、現状では100V/15A環境での4枚構成は難しい状況であると言えます。
Tensorflowへの対応
今回検証した時点 (2020年10月)では、まだ安定版バイナリでの利用は難しい状況の様子でした。
とはいえ、Nightly Build ではGPU動作も確認できましたので、今後は対応されていく事になるかと思います。
この記事を書いた人 : 技術部 鈴木 この記事を書いた日 : 2020.10.17 |
2020年11月9日、以下追記しました
RTX 3090 4枚での動作テストも実施いたしました
4GPU構成の動作も確認いたしました。心配をしていた温度面は、今回の検証(以下画像)から察するに、十分対応できそうな印象でした。
RTX 3090 4GPU構成にご興味のある方は是非、研究用・産業用PCの製作・販売サービス「テグシス」へ、お問い合わせください。