
化学製品の研究開発に携わるお客様より、ご予算200万円付近でCAE用のワークステーションをご相談いただきました。
STAR-CCM+とiGRAFによる流体計算と粉体計算を目的としたワークステーション導入で、当面はCPUでの並列計算がメインとなる想定です。
将来的にはソフトウェア側の拡張機能でGPU計算を行う予定があるため、導入段階である程度以上のスペックを持つGPUを搭載したいと伺っています。
お客様からのご依頼をもとに、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | AMD Ryzen ThreadripperPRO 7965WX 4.20GHz (boost 5.3GHz) 24C/48T |
メモリ | 合計256GB DDR5 5600 REG ECC 32GB x 8 |
ストレージ | 1TB SSD M.2 NVMe Gen4 |
ビデオ | NVIDIA RTX4500 Ada 24GB (DisplayPort x4) |
ネットワーク | on board (10GBase-T x2) |
筐体+電源 | ミドルタワー筐体 1000W 80PLUS PLATINUM |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
CPUのクロック数とメモリ帯域を重視した構成
処理速度の面で重要な要素は、クロック数とメモリ帯域です。ご案内当時の納期状況とスペック状況から、Threadripper Proを用いた構成をご提案しました。Threadripper Proは8チャネルのメモリ構成であり、クロック数の面でもXeon構成との比較で同等以上の性能となります。
メモリチャネルを考慮する場合には2CPU構成という選択肢もありますが、ご予算面を考慮して、本件では1CPU構成でのご提案としています。
GPUの選定について
STAR-CCM+のGPU計算における要件はGDDR6よりも高帯域幅メモリ(HMB2/3)を搭載したカードが推奨されるため、RTX4500 Adaを採用しています。iGRAF側の要件はSolidWorksに準拠しているため、RTXシリーズのGPUであれば対応可能です。
・参考:Siemens Digital Industries Software Community
■キーワード・STAR-CCM+とは STAR-CCM+は、Siemensが提供する高度なマルチフィジックスCFDシミュレーションソフトウェア。CADデータのインポートから結果処理まで、1つの統合環境で完結できるのが特徴。流体力学、熱伝達、粒子動力学、反応流など多様な物理現象に対応し、自動メッシュ生成や設計探査機能により効率的な解析が可能。自動車、航空宇宙、電気・電子、建築など幅広い産業分野で活用されている。 ・iGRAFとは iGRAF (Integrated Granular Flow Simulation Software) は、SolidWorksのアドイン製品として開発された粉体・混相流シミュレーションソフトウェア。離散要素法 (DEM) と数値流体力学 (CFD) を組み合わせ、流体の影響を考慮した高精度な解析が可能。初心者にも使いやすいインターフェースやランダムパッキング機能、計算負荷を軽減する粗視化モデルを搭載し、多様なプロセスの再現性と効率性を両立している。
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