システム工学研究に携わるお客様より、流体シミュレーションを行うためのマシンを予算60万円の範囲で検討したいとのご相談いただきました。
現在はAnsys Fluentを使用した研究を行っており、既存のPCだと時々フリーズしてしまうことにお悩みです。扱う計算は処理完了までに数日かかる規模なので、新規にPC導入して問題を解決したいとの依頼です。
フリーズはAnsysで繰り返し計算を行っているときに発生し、Ansysを使用していない状態では発生しないと伺っています。フリーズが発生し始めた時期は不明で、SSDの空き容量は600GB程度あるという状況です。
また、現在使用しているPCの構成は以下の通りです。
CPU: Core i9-10980XE
メモリ:256 GB
OS:Windows 10 Pro
これらのお話を踏まえて、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | Intel Core Ultra 9 285K 3.70GHz(8C/8T)+3.20GHz(16C/16T) |
メモリ | 合計192GB DDR5-5600 48GB x 4 |
ストレージ | 2TB SSD M.2 NVMe Gen4 |
ビデオ | NVIDIA RTX A1000 8GB (MiniDisplayPort x4) |
ネットワーク | on board(2.5GBase-T x1) Wi-Fi x1 |
筐体+電源 | ミドルタワー筐体 + 850W 80PLUS GOLD |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
予算60万円の範囲内で、最も計算効率の良い構成として検討したスペックです。
メモリ容量は本構成の最大容量である192GBを搭載しています。ご予算とスペックのバランスを検討した上での判断ではありますが、本構成のメモリ容量は、お客様がお使いのマシンよりも少なくなっています。PCで処理できる計算の規模はメモリ容量に依存しますので、計算に必要なメモリ内容をご確認ください。
※ご不明な場合には、お気軽にご相談ください。
また、画面描画用のGPUとして、RTX A1000 8GBを採用しています。
Ansysのフリーズについて
現在ご利用中のPCを実際に拝見できていないため、フリーズの原因を特定することは難しいですが、伺った情報の範囲では以下の理由が考えられます。
・メモリ容量不足
・故障や経年による処理能力低下
導入から数年経過したPCの場合、電源ユニットが不安定になっていて負荷が高いCPUへの給電状態に波が出てフリーズが発生することがあります。また、CPUクーラーに埃が詰まって冷却性能が低下し、長時間高負荷がかかった場合に熱暴走でフリーズするといった可能性も考えられます。
メモリ容量不足が原因の場合、本構成のメモリ容量では改善しない可能性があります。トラブル原因の切り分けを行うにあたり、実際の計算処理に必要なメモリ容量の確認は重要な要素になりますので、優先的にご確認いただくのが良いかと存じます。
※症状の診断をご希望の場合には、PCをお預かりしての検証を承っております。お気軽にご相談ください。
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