スイスの企業 Pix4D S.A. では、様々な目的に応じたフォトグラメトリ (写真測量)ソフトウェアを提供しています。
本ページではこれらの製品群のうち、作物分析と精密農業に特化した製品「PIX4Dfields」と、多目的用途向けのベーシック製品「PIX4Dmapper」についてご紹介いたします。
それぞれの製品で具体的にどのようなことができるのか、また利用にはソフトウェアの他にどのようなものが必要なのかを紹介しつつ、最後には「PIX4D をすぐに使えるターンキーシステム」をご紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
ターンキーシステムとは :
「ターンキーシステム(TurnKey System)」とは、特定の目的を叶えるための最適な構成で構築され、さらに事前に各種設定までされている等、「電源を入れれば (TurnKey)すぐに使える」状態で提供されるシステムを指します。
スピードがますます重視されている現代では研究開発の分野においても「コスト・パフォーマンス」以上に「タイム・パフォーマンス」が最重要な課題のひとつになっています。研究開発者さまがすぐにご利用を開始できる TKS(ターンキーシステム)は、テガラの「研究開発を加速するお手伝い」の理念を具現化するサービスのひとつです。
目次
PIX4Dfields / PIX4Dmapper の特長
PIX4Dfields と PIX4Dmapper は、共に高度な空中画像解析ソフトウェアであり、ドローン等で取得した画像データを利用して、精密な地図や3Dモデルを作成することが可能です。
PIX4Dfields は主に農業分野に特化しており、作物の健康状態や成長状況を監視するために使用されます。一方、PIX4Dmapper は、土木工学、測量、環境保護、都市計画など、さまざまな分野で使用されるオールインワンの解析ツールです。
PIX4Dfields の特長一例
リアルタイム解析 | ドローンで取得した画像を現地ですばやく処理し、農作物の健康状態を即座に評価 (オフライン環境で利用可能) |
マルチスペクトル解析 | 異なる波長の光を使用して、作物の状態を詳細に解析 (マルチスペクトルカメラが必要です) |
高精度マッピング | 作物の成長状況、病害虫の発生、灌漑状態などを高精度でマッピングし、的確な農業管理をサポート |
カスタマイズ可能なレポート | 必要なデータをカスタマイズして表示し、直感的に理解できるレポートを生成 |
PIX4Dmapper の特長一例
高精度3Dモデリング | 高解像度の3Dモデルや地形図 (DEM)を作成し、詳細な構造物や地形の解析が可能 |
オルソモザイク作成 | 空中画像をジオリファレンスし、歪みのない正確なオルソモザイク(地図)を作成 |
DSM (Digital Surface Model) とDTM (Digital Terrain Model) の生成 | 地表上に存在するものの特徴を含むDSM (デジタル表面モデル)と、地形の形状のみを表すDTM (デジタル地形モデル)を作成 |
自動化されたワークフロー | 自動で処理が進行し、簡単に解析結果を得ることが可能 |
柔軟なデータ出力 | 多様なデータ形式での出力が可能で、他のGISソフトウェアやプラットフォームとの互換性が高い |
PIX4D の処理の流れ
以下ではドローンで取得した空中画像を用いて処理をする際の簡単な流れについてご紹介します。
STEP.1 画像取得
ドローンを使用して、対象地域の空中写真を取得します。撮影する画像は、解析対象や目的に応じて様々な形式が選択可能です。
PIX4Dfields / PIX4Dmapper 取り込み可能データ例
- RGB 画像
- マルチスペクトル画像
- サーマル画像
※それぞれの画像を撮影可能なカメラの搭載が必要です
STEP.2 解析処理
取得した画像をソフトウェアに取り込み、解析を行います。例えばPIX4Dfieldsでは作物の健康状態を解析し、PIX4Dmapperでは詳細な3Dモデルや地形図を生成します。この過程では、画像の位置合わせ、ポイントクラウド生成、メッシュ作成などが自動的に行われます。
STEP.3 データ出力
解析が完了すると、目的に応じたデータが出力されます。
PIX4Dfields / PIX4Dmapper 出力データ例
PIX4Dfields | PIX4Dmapper |
---|---|
オルソモザイク | 3Dモデル |
植生指数マップ (NDVIマップ) | ポイントクラウド (点群データ) |
ゾーネーションマップ (ゾーニングマップ) | オルソモザイク |
処方マップ (農薬等の適用率割り当てマップ機能) | DTM / DEM |
解析結果をまとめたカスタムレポート | DSM |
サーマルマップ |
STEP.4 データの共有・統合
出力されたデータは、他のソフトウェアやプラットフォームと共有・統合することができます。これにより、さらなる解析や可視化、プロジェクト管理が容易になります。また、クラウドベースのプラットフォームを利用して、チーム内でのデータ共有やコラボレーションが可能です。
PIX4D 推奨動作仕様 (ハードウェア)
PIX4DfieldsおよびPIX4Dmapperの利用における推奨動作環境は以下のとおりです。
PIX4Dfields
OS(MacOS) |
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OS (Windows) | Windows 10 (64 Bit) 以上 |
CPU | quad-core / hexa-core Intel i5 以上 AMD Phenom プロセッサ 以上 |
RAM | 16 GB RAM 以上 |
ストレージ |
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GPU | 2GBのRAMを搭載した統合型 または 専用GPU (データ処理高速化のために6GBのRAMを搭載したGeForce GTX 以上を推奨) |
ディスプレイ | 1024×768 解像度 以上 |
出典:Computer requirements – PIX4Dfields
https://support.pix4d.com/hc/en-us/articles/360000889343
PIX4Dmapper
OS | Windows 10, 64 bits (Windows 11 での利用の場合にはこちらをご参照ください). |
CPU | quad-core/hexa-core Intel i9/Threadripper/Ryzen 9 |
GPU | GeForce GTX GPU 2GB RAM (OpenGL 3.2 互換) |
RAM および SSD の空き容量
※ PIX4D のストレージはSSDが推奨されています |
小規模プロジェクト(14MPixelで100枚未満の画像): 8GB RAM、15GB のSSD空き容量 |
中規模プロジェクト(14MPixelで100-500枚の画像): 16GB RAM、30GB のSSD空き容量 |
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大規模プロジェクト(14MPixelで500-1000枚の画像): 32GB RAM、60GB のSSD空き容量 |
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非常に大規模なプロジェクト(14MPixelで1000-2000枚の画像): 64GB RAM、120GB のSSD空き容量 |
※上記よりもさらに大規模なプロジェクトに関しては、PIX4Dmaticの使用をご検討ください
出典:Computer requirements – PIX4Dmapper
https://support.pix4d.com/hc/en-us/articles/115002439383
PIX4D に必要なもの一式を用意するのは大変…そんな方には「テガラのTKS」をオススメいたします!
ここまでにご紹介したように、PIX4Dfields や PIX4Dmapper のご利用のためには、「用途に応じたPIX4Dソフトウェア (ライセンス)」「空中撮影用のドローン」「撮影画像に応じたドローン搭載用カメラ」「撮影した画像を処理する推奨動作環境のハードウェア要件を満たしたPC」…などが必要になります。
これらをひとつひとつ用意するのには手間がかかりますが、テガラ株式会社 TKS 事業部ではこれら必要なものを一式セットにし、届いたらすぐにPIX4Dによる作物分析や3Dモデル作成ができる状態の「ターンキーシステム (TKS)」として、ご提供いたします。
※ 一例として PIX4Dfields を挙げていますが、PIX4Dmapper や他のライセンス用のTKS もご提供可能です
PIX4Dfields ターンキーシステムのイメージ
システム構成例 :
① PC + ② ソフトウェア (PIX4Dfields) + ③ ドローン + ④ マルチスペクトルカメラ + ⑤外部ストレージ 等
ポイント 1 : PIX4D 国内代理店 イメージワン社との協力体制
お客様の用途に適したライセンス選定や、ソフトウェア面の質問など、システムの導入までをサポートいたします。
ポイント 2 : 最適なPC をテガラ社内でカスタマイズ設計・製作
テガラ株式会社 TEGSYS事業部 (カスタムPC製造) では、お客様のご要望に合わせて設計・ご提案するオーダーメイドPCをご提供しております。用途に最適なPC の設計・製作はお任せください。
ポイント 3 : ドローンの調達もワンストップで
TKS 事業部の PIX4D 向けターンキーシステムでは、国産 (日本製) ドローン「SOTEN (蒼天)」が標準パッケージとなっています。ご要望に応じて他のドローンも選定可能ですので、ご希望がございましたらお知らせください。
※SOTEN (蒼天)は、株式会社ACSL (Autonomous Control Systems Laboratory Ltd.)の開発・販売する産業用小型空撮ドローンです
ポイント 4 : ご要望に応じて、アクセサリなど周辺機器も選定・ご提供
ドローン搭載のカメラの付け替えや、メモリカードや外付けHDD等の細かいアクセサリなどもご要望に応じてご用意します。お客様の要望に合わせて「すぐに使える状態」で提供できるのが特長です。
テガラ株式会社 TKS 事業部では、お客様からいただくご要望や研究開発の現場でのニーズに応じて、ターンキーシステムを開発しております。
今回の記事をご覧いただき「こんな用途のターンキーシステムが欲しいけど、作れるのかな?」と思っていただけた際には、是非お気軽に TKS事業部にお問い合わせください。お待ちしております。
TKS 事業部 についてのより詳細な情報は、以下WEBサイトをご覧ください : |