MATLABでの混合整数線形計画法ソルバー用マシン

再生可能エネルギーの研究開発に携わるお客様より、PC構成の提案をご依頼いただきました。
MATLABで混合整数線形計画法ソルバー (MILP) を利用するためのPCとして導入を検討されており、ご予算100万円以内で、MILPの求解を可能な限り高速に実行できる構成をご希望です。
また、提案のPC構成が、Gurobi Optimizerでのソルバーの利用に適しているかについても、ご質問をいただいています。。

これらのお話を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。

CPU Intel Core i9-14900K (3.20GHz 8コア + 2.40GHz 16コア)
メモリ 128GB(32GBx4枚)
ストレージ 1TB SSD S-ATA
ビデオ on board
ネットワーク on board (2.5GBase-T x1) Wi-Fi x1
筐体+電源 ミドルタワー型筐体 + 850W
OS Microsoft Windows 11 Professional 64bit

使用ソフトウェアに合わせたパーツ構成

ご連絡のMILPは、「intlinprog」を使用した実行と推察しました。
「intlinprog」はGPUを用いた計算や、マルチコアを用いた並列計算に対応していないため、ご予算内でCPUの1コアあたりの速度が最も早い「Core i9-14900K 24コア」を採用した構成をご提案しています。

なお、本構成のメモリ容量は最大128GBまでとなり、増設には対応していません。
複数の計算を同時に行う場合は大量のメモリが必要になるため、計算内容によっては メモリ容量が不足する可能性があります。
同程度のCPUコア数で128GB以上のメモリ容量が必要な場合には、Xeonシリーズの12コアCPU x2基の仕様に変更することでメモリ容量の上限を増やすことが可能です。
※本事例では、ご予算を大幅に超過するため採用を見送っています。

Gurobi Optimizerでのソルバー利用について

Gurobiソルバーの計算処理ではクロック速度が高いCPUが有利ですが、最適化計算を行う予定のモデルよって、必要なCPUのコア数およびメモリ容量は変動します。
これはGurobiソルバーが複数のアルゴリズムを組み合わせて計算を行っており、アルゴリズムごとに並列化の有効性が異なるためです。
メーカーWEBにハードウェアの選定におけるガイドラインが掲載されていますので、実際処理内容や利用シーンと照らし合わせて、必要なマシンの規模感をご検討ください。

参考:Gurobi Help Center (外部サイト)

 

本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。

 

■キーワード

・MATLABとは
MATLABは工学・理学・経済学など幅広い分野でのデータ解析やアルゴリズム開発、モデル作成で使用される数値解析用ソフトウェアかつ、内部で使用するプログラミング言語の名称でもある。

参考:MATLAB |MathWorks ※外部サイトに飛びます

・Gurobi Optimizerとは

世界中で広く使われており、適用可能問題範囲が広く、高性能な数理最適化技術を取り入れた線形/整数計画ソルバー。

参考:Gurobi Optimizer | Gurobi Optimization, LLC ※外部サイトに飛びます

 

 

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