遺伝子研究に携わるお客様より、予算100万円程度でのバイオインフォマティクス用ワークステーション導入をご相談いただきました。
現在はシングルセルRNA解析などのゲノム解析をメインで行っており、今後は高画質の病理画像を併用した空間遺伝子解析も行う予定があると伺っています。
マシンのスペックに関しては、CPUのコア数とメモリ容量を重視したいとご要望いただきました。
使用するソフトウェアはCell RangerやQuPathなどを想定しており、OSはLinuxをご希望です。
お客様からは、「Linuxの利用には慣れていないため、可能であればCell RangerとQuPathをインストールした状態で出荷して欲しい」とのご相談もいただいています。
これらの情報を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | AMD Ryzen Threadripper 7960X (4.20GHz 24コア) |
メモリ | 256GB REG ECC |
ストレージ | 2TB SSD M.2 NVMe Gen4 |
ビデオ | NVIDIA T400 4GB |
ネットワーク | on board(2.5GbE x1 10GBase-T x1) Wi-Fi x1 |
筐体+電源 | タワー型筐体 + 1000W |
OS | Ubuntu 22.04 |
その他 | Cell Ranger、 QuPathインストール |
予算内でCPUコア数・メモリ容量を重視した構成
ご予算の範囲内でCPUのコア数・メモリ容量を重視した構成をご提案しました。
CPUは2024年5月時点で最新のAMD Ryzen Threadripper 7000 シリーズの24コアモデルを搭載しています。
メモリは64GBモジュール x4枚で合計256GBです。
24コアのCPUと256GBのメモリ容量により、解析時の高いパフォーマンスが期待できます。
なお、現時点ではCell RangerとQuPathのGPUアクセラレートへの対応は限定的なため、GPUアクセラレートを使用しない場合は、エントリークラスのビデオカードでも動作に支障はないと考えられます。そのため、ご予算を重視し、GPUアクセラレートの使用は考慮せず、エントリークラスのワークステーション向けビデオカード NVIDIA T400 4GBを選定しています。
注意点として、本マシンの電源容量は現在の構成用に選定されているため、将来的なGPU増設などの機器追加・アップグレードが考慮されていません。
GPUの増設など消費電力の大きい機器を増設する予定がある場合は、構成の変更も可能ですのでお気軽にご相談ください。
Cell Ranger・QuPathの事前インストールサービス
お客様のご希望にあわせて、Cell Ranger・QuPathを事前インストールした状態で出荷いたします。
なお、QuPathはLinuxでも動作しますが、いくつかの問題が報告されています。
詳細は下記公式マニュアルをご参照ください。
また、ご希望の場合はCell RangerをLinuxに、QuPathをWindowsにインストールしたデュアルブート構成とすることも可能です。
その他のソフトウェアにつきましても、事前インストールをご希望の際には気兼ねなくお申し付けください。
本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
いただいた条件に合わせて柔軟にマシンをご提案いたしますので、掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください
■キーワード・Cell Rangerとは ・QuPathとは QuPathは、生体画像解析のためのオープンソースソフトウェア。豊富な解析機能を備えており、スライド画像全体を総合的に可視化し、分析することができる。 |
■ このPC事例に関する詳細、お問い合わせはこちら ※事例の名称またはご希望の条件などをご記入ください。 |