生命・環境科学の研究に携わるお客様より、次世代シーケンサー (MinION Mk1B) による16S rRNA解析およびRNA-seq解析を行うためのワークステーションをご相談いただきました。
予算80万円程度での最適構成をご希望です。
OS環境はWSL2 (Windows Subsystem for Linux2) でUbuntuを使用する想定ですが、WSL2よりもデュアルブート構成の方が計算パフォーマンスが向上するようであれば検討したいと伺っており、WSL2とデュアルブートそれぞれでが計算パフォーマンスにどう影響するかというご質問も頂戴しています。
また、ハードウェア面での条件としては、メモリ容量は64GB程度、ストレージ容量は2TB以上を想定されています。
これらの条件を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | Intel Xeon W5-2445 (3.10GHz 10コア) |
メモリ | 64GB REG ECC |
ストレージ1 | 2TB SSD S-ATA |
ストレージ2 | 2TB SSD S-ATA |
ビデオ | NVIDIA Geforce RTX4070 Super 12GB |
ネットワーク | on board (1GbE x1 /10GbE x1) |
筐体+電源 | ミドルタワー型筐体 + 850W |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit + Ubuntu 20.04 (デュアルブート構成) |
MinION Mk1Bのシステム要件はメーカー公式サイトで公開されているため、ご予算の範囲内で推奨要件を満たす構成をご提案しました。
新製品のNVIDIA Geforce RTX4070 Superを搭載
MinION Mk1Bでの計算上重要となるビデオカードは、2024/1/17に発売された新製品のNVIDIA Geforce RTX4070 Superとしています。
7,168基のCUDAコア、56基のRTコア、および224基のTensorコアを搭載し、ご予算内に収まるビデオカードの中では高いコストパフォーマンスが期待できます。
デュアルブート構成とその利点について
LinuxディストリビューションはMinION Mk1Bが対応しているUbuntu 20.04を選択し、Windows 11とのデュアルブート構成です。
なお、2024年1月現在、MinION Mk1BのWindowsサポートはいまだWindows 10で止まっているため、MinION Mk1BはUbuntu 20.04上での利用を前提としています。
また、WSL2はWindows上で動作する仮想マシンです。
通常のLinux環境とWSL2を比較した場合、仮想化されているWSL2の方が処理が行われるまでに経由するプロセスが多くなります。
そのため、Linux上で負荷の高い処理を行う場合は、デュアルブート構成としてLinuxをハードウェア上で直接動作させるほうが、パフォーマンスの面で優位です。
本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
いただいた条件に合わせて柔軟にマシンをご提案いたしますので、掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。
■キーワード・Nanopore (ナノポア) とは ・16S rRNA解析とは 16S rRNA解析は、細菌の16S リボソームRNAの配列を用いて菌種の存在や割合を網羅的に推測する解析。16S rRNAは配列の保存性が高く、進化速度が遅いことから菌種の同定に有用である。この16S rRNAの配列を解析することで、菌種・菌群を培養の必要なしに検出・同定することができる。 ・WSL2とは
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