有機肥料の開発に携わるお客様より、アンプリコンシーケンス解析のデータ処理とマルチオミクスの統合解析用ワークステーションをご相談いただきました。
Rパッケージ (WGCNA、 lavaan、 ggplot、 arules、 imagerなど) やigraph、QIIME2の利用が中心で、若干の写真処理も想定されています (週に450MB程度) 。CPUで処理・解析を行う想定のため、CPU性能を重視したいと伺っています。
ご希望の条件は以下の通りです。
・CPU:性能を重視 ・メモリ:128GB以上 ・ストレージ:512GB程度 ・OS:なし ・使用するソフトウェア:Rパッケージ (WGCNA、 lavaan、 ggplot、 arules、 imagerなど) 、igraph、QIIME2 ・予算:80万円程度 |
ご連絡いただいた情報を踏まえ、弊社からは下記の構成をご用意しました。
CPU | Intel Xeon W5-2465X (3.10GHz 16コア) |
メモリ | 128GB REG ECC |
ストレージ | 500GB SSD M.2 |
ビデオ | NVIDIA T400 4GB |
ネットワーク | on board (2.5GbE x1, 10GbE x1) |
筐体+電源 | タワー型筐体 + 1000W |
OS | なし |
2023年10月時点で最新のXeon W-2400シリーズを搭載した構成です。
ご予算内に収まる製品の中で最も上位のモデルであるIntel Xeon W5-2465X (16コア) を選択しています。
なお、Rでマルチスレッド動作を行うためには、並列化パッケージを導入する必要があります。並列化パッケージ未導入の状態でRプログラムを実行した場合はシングルスレッド動作になるため、コア数を有効に活用することができませんのでご注意ください。
メモリ搭載量は128GBとしていますが、空きスロットが4スロットあるため、今後メモリを増設することも可能です。
週に450MB程度の画像解析を行う場合、それほど高いGPU性能は要求されないと考えられます。
そのため、ビデオカードはワークステーション向けのエントリーモデルであるNVIDIA T400 4GBを選択していますが、ご希望に応じて変更も可能です。
本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
いただいた条件に合わせて柔軟にマシンをご提案いたしますので、掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。
■キーワード・アンプリコンシーケンス解析とは アンプリコンシーケンス解析は、特定のDNAまたはRNA領域を高速にシーケンスする分子生物学手法。特定のプライマーを使って遺伝子、遺伝子領域、またはフラグメントをPCR反応で増幅し、次世代シーケンサーでシーケンスする。微生物学、遺伝学、生態学など多くの分野で使用され、遺伝子多型、微生物の同定、疾患関連の変異、環境の多様性の調査などに応用される。得られたデータをバイオインフォマティクスツールで解析し、生物学的情報を取得する。 ・Omics解析とは Omics解析は、生物学や医学の分野で広く使用されるデータ駆動型のアプローチ。Omicsとはゲノミクス、プロテオミクス、トランスクリプトミクスなど、生物学的なデータを収集・解析するための技術の総称。 ・Rとは Rとはオープンソース・フリーソフトウェアの統計解析向けプログラミング言語/開発実行環境。統計処理のための計算やグラフ化で利用される。 ・igraphとは igraphはグラフの作成やネットワーク分析のためのオープンソースライブラリ。C/C++、 R、 Python、 Mathematicaでのプログラミングに対応している。 ・QIIME2とは QIIME2は微生物叢分析のためのオープンソースのソフトウェアパッケージ。データと分析の透明性を重視しており、専用のwebサイト「QIIME2 View」から簡単に分析データを確認することができる。プラグインによって定期的に新たな機能が追加されている。 |
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