シングルセルRNA-seq解析用マシン (2023年07月版)

お客様より、シングルセルRNA-seq解析を目的としたPCの導入をご相談いただきました。
現在はMacを利用中で、Dockerで構築したLinux環境下でCell Rangerを使用されていますが、処理にとても時間がかかる点を問題とされています。
今回のご相談では、予算60万円程度のLinuxマシンを想定されており、スペックとしてはメモリ128GB以上が条件です。

伺った情報を踏まえて、弊社からは下記の構成をご提案しました。

CPU Core i9-13900KS (3.20GHz 8コア + 2.40GHz 16コア)
メモリ 128GB
ストレージ1 2TB SSD M.2
ストレージ2 16TB HDD S-ATA
ビデオ NVIDIA T400 4GB MiniDisplayPort x3
ネットワーク on board(2.5GBase-T x1) Wi-Fi x1
筐体+電源 タワー型筐体 + 850W
OS Ubuntu 22.04

Linuxマシンをご希望でしたので、ご予算内でのUbuntuマシンをご提案しました。 メモリは128GBで、用途面での必要性を想定し、SSD+大容量HDDを搭載した構成としています。 Cell Ranger側の推奨スペックは、CPU 16コア+メモリ128GBです。 本構成のメモリ容量は仕様上最大ですので、より多くのメモリが必要となる可能性がある場合にはご相談ください。

本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。

■キーワード

・シングルセルRNA-seqとは
シングルセルRNA-seqは個々の細胞レベルで遺伝子発現を解析可能にする技術。細胞のトランスクリプトームマッピングを行うことで、細胞間の違いを明らかにする。同種の細胞でも個々に微細な違いがあるため、このような解析手法が必要とされる。活用としては、例えばがん細胞内の異質性の解明や細胞分化のプロセス解明などが期待される。また、少ない量のRNAからの解析が可能であり、細密な解析に利用されている。

・Cell Rangerとは
Cell Rangerは10x Genomics社によるソフトウェアパイプラインの1種。シングルセルRNAシークエンスデータの処理、クラスタリング、遺伝子表現量の量化を行うことができる。 10x Genomics Chromeを使って生成されたシングルセルRNAシークエンスデータを処理したり、 遺伝子表現クラスタリングを行いシングルセルのサブポピュレーションを同定することが可能。その他、バーチャルリファレンスにマッピングし遺伝子を量化しての表現行列作成にも対応。

参考:Cell Ranger(10x Genomics) ※外部サイトに飛びます