微生物研究に携わるお客様より、アカデミックフリーのツールを用いたタンパク質・低分子化合物の結合解析を行うためのマシンをご相談いただきました。 構造予測、ドッキングシミュレーション、量子計算、MD計算に使用する予定で、以下のソフトウェアを用いた研究を考えていらっしゃいます。
構造予測 | Alphafold2 |
ドッキング | autodock (GNINA) / ucsf-dock |
量子計算 | GAMESS / firefly |
MD | GROMACS 2022.4 |
希望するマシンのスペックとしては、AlphaFold2をローカルで構築でき、一般的な条件でGROMACSを稼働させられることが条件です。
主な用途はMD計算や量子計算で、将来的にはイン・シリコ・スクリーニングへの発展を考えていらっしゃいます。
ご相談いただいた内容を踏まえて、弊社からは下記の構成をご提案しました。
【主な仕様】
CPU | Xeon Gold 6326 (2.90GHz 16コア) x2 |
メモリ | 256GB REG ECC |
ストレージ1 | 2TB SSD S-ATA |
ストレージ2 | 4TB SSD M.2 |
ビデオ | Geforce NVIDIA RTX4080 x2 |
ネットワーク | on board (1000Base-T x2) |
筐体+電源 | タワー型筐体 + 1600W |
OS | なし |
第3世代Xeon Scalableを搭載した2CPU構成です。
ご利用のソフトウェアにIntel APIをコンパイラとして推奨している物があることに配慮した選択です。
ご連絡いただいているソフトウェアのうち、GAMESS以外は何らかの形でGPUを利用することができますが、CPUで処理を行う部分も相応にあるため、CPUとGPUのバランスを考える必要があります。
AlphaFold2はGPUを必要とするソフトウェアで、かつ2.2TBほどの巨大なデータベースを参照するため、ストレージ性能がパフォーマンスに大きく影響します。2ndストレージとして搭載している大容量のSSDはAlphaFold2のデータベース保存を想定したものです。
なお、AlphaFold2とそれ以外のソフトウェアでは、GPGPUの使われ方が異なり、AlphaFold2はTensorflowを基盤としたDeepLearningになりますが、他のソフトはGPUをコアプロセッサとした科学計算です。
科学計算ではGPGPUに倍精度小数点演算 (fp64) を求められることがありますが、非常に高額で専用筐体が必要になります。 利用を想定しているソフトウェアは、いずれもfp64が必須ではなくCUDAに対応したNVIDIA製GPUであれば利用可能とされているため、搭載GPUはディスプレイ出力を兼ねたビデオカードを選択しています。
本事例の構成は、お客様から頂戴した条件を元に検討した内容です。
掲載内容とは異なる条件でご検討の場合でも、お気軽にご相談ください。
■FAQ・AlphaFold2とは
・GROMACSとは
・GNINAとは
・UCSF Dockとは
・GAMESSとは
・Fireflyとは
・イン・シリコ・スクリーニングとは |
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