ステレオビジョンを使って奥行きを計算するインテル RealSense D400シリーズの新ラインアップ「Intel RealSense Depth Camera D435f」は、D435のIR Pass Filter(赤外線フィルタ)搭載モデルです。
今回は、ユーザーの注目する「フィルタの効果」について、D435fの実機を使って鏡面反射の検証を行いました。
※本記事はOptical Filters for Intel RealSense Depth Cameras D400を参考にしています。
Optical Filters for Intel RealSense Depth Cameras D400
https://dev.intelrealsense.com/docs/optical-filters-for-intel-realsense-depth-cameras-d400
IR Pass Filterの効果を検証!
以前、D435fの紹介記事において、明るい陽射し(日光)や、光沢のあるテーブルや床、窓ガラスなど、照明や日光の反射、映りこみを起こしやすい条件の場合、フィルタを追加することでパフォーマンスの一部を改善できる可能性があることをお伝えしました。
そこで、今回はD435と入荷したてのD435fの両モデルを活用し、光沢のある物質の例としてホワイトボードを撮影しました。光の映り込み(鏡面反射)がどのように認識されるか、実際の動作を比較してみましょう。
撮影環境について
撮影環境としては、以下の写真のような比較的明るめの室内環境です。天井の蛍光灯(室内照明)の光をホワイトボードへ反射させました。
動作の様子は下記の動画にまとめました。ぜひご覧ください。
撮影した写真の比較
蛍光灯の反射検証(初期設定環境: 比較的明るい室内、照度:蛍光灯)
ホワイトボードをカメラの前に配置し、角度を付けることで蛍光灯の光を反射させました。
写真左のIR Pass Filter 付きのD435fでは、写真右のD435の深度データに存在していた蛍光灯の光が黒抜けした部分がなく、正確にデータを取得できていることがわかります。
外光の反射(初期設定環境: 比較的明るい室内、照度:蛍光灯+外光)
検証途中、偶然に窓からの外光がホワイトボードに映り込み反射しました。急な映り込みに対しては、D435fでも深度データが抜けていました。外光は蛍光灯と比較して赤外線が多く含まれており、赤外線成分が IR Pass Filter を通過しているためと思われます。
IR frameのデータ取得とその比較
D435とD435f のIR frame を取得してみました。D435f の方が放射している赤外線のドットパターンがはっきり取得できており、IR Pass Filter の効果によるものと思われます。
撮影する物体の特性次第では、今回のように D435f が適しているということもあると思いますので、ご参考になりましたら幸いです。
この記事を書いた人 : 新規事業開発室 庄司 この記事を書いた日 : 2022.6.24 |
※今回の記事はこちらの検証動画を元にしております。 RealSense D435 と D435f でホワイトボードを撮影
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