2011年に、シドニー大学にて公開されているMAGMAサンプルプログラムを用いた、各CPUでのベンチマークを公開いたしましたが、その際にはシングルスレッドでクロックが高いCPUのほうが有効という結果がでました。
今回は、当時テストで用いたサンプルプログラムを動かす場合に、現状のPC提案事例で最も効果的と考えられる 事例No.PC-4547 のCPUオーバークロックモデル(CPU:Core i7 7700K)で、どの程度の効果が期待できるかをテストしてみました。
・検証環境 (事例 PC-4547 / 詳細)
・使用サンプルプログラム
http://magma.maths.usyd.edu.au/magma/dmwm/
検証1: 旧世代 CPUとの比較
前回の測定を行った時点から、今回使用する検証環境までに、数世代のハードの更新があり、 まずはオーバークロック”無し”にてどの程度結果に差がでてくるかを測定してみました。 結果としましては、前回の測定結果の倍近い速度差 (前回テスト時点のハードウェアと比べ、 半分の時間で計算が完了)となりました。
今回のテストでは以前のテストと同じバージョンのプログラムで計測していることから、マルチコアが有効でないソフトウェアであったとしても、CPUのアーキテクチャが更新されることで、クロック差以上の処理能力のアップが見込める場合があることが分かります。MAGMAに関して言えば、今後のプログラムのバージョンアップ等によって、結果が変わる可能性もございますが、今回テストに使用したサンプルプログラムでの結果に関して言えば、旧世代のマシンから、現行のハードウェアに乗り換えることは効果的かと思います。
検証2: Core i7 7700K 定格 / TB / OC の比較
次に今回の検証環境のハードウェア (CPU Core i7 7700K)で、定格(4.2GHz ※複数の計算を走らせ、TBが効かない状況)、Turbo Boost有効 (4.5GHz ※1コアのみに計算を割り当て)、OverClock (5.0GHz) の3種類の状態で検証1と同じプログラムを計測しました。結果、オーバークロックモデルは、クロック差による順当な速度差を出しました。
MAGMAに限らず、シングルスレッドに特化したプログラムをご利用で、少しでも高速化したいといった場合や、複数の計算を同時に走らせるといった場合には、クロックの落ち込みが無い、オーバークロックモデルを選択していただくことは有効な選択肢になるのではないでしょうか。
今回の検証に用いたCPUオーバークロックモデルはこちら: CPUオーバークロック5GHz安定動作マシン |
【ポイント】
・弊社にてCPUオーバークロック設定、調整を行ったうえで出荷いたします (専用ルームにて負荷・温度テストを行い、安定稼働を確認したうえでの出荷となります)。
・通常、お客さまにて行うCPUオーバークロックに起因する故障に関しましては、保証の対象外となりますが、当事例のマシンに関しましては、通常通りの保証対応とさせていただきます。
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