【記事】Matlabによる数値計算用PCの提案事例

■こちらは、2014年12月5日に投稿された記事のため、情報の内容が古い可能性があります。

テグシスWEBサイトにて、日々のご提案事例を随時掲載していますが、実は一つのお問い合わせに対する答え(ご提案)がいつも一つというわけではありません。

たとえば、この機能を満たすにはここはあきらめなければならない、といった性能のトレードオフや、予算内で優先すべき機能は何かといった調整等、お客様と何度もやり取りをさせていただいたうえで、最終的な仕様が決まるということが多いです。当初の想定とは全く違った構成となることも少なくありません(笑)

今回の記事では、このような複数提案の一例をご紹介します。

お客さまからのご相談内容

Matlabによる数値計算(乱数を何度も発生させた数値シミュレーション)用に並列計算主体でなく、1つの計算に特化したマシンがほしい。

テガラからのご提案

お客さまからは比較対象として、今現在使用されている2CPUマシンのスペックを提示いただきましたが、現行の2CPUタイプのマシンはシングルクロックが低く、コアが多いという傾向があります。このため、シングルスレッド時の動作クロックを重視した2パターンの構成をご提案しました。それぞれ、メリット・デメリットがあるため、お客様のご利用環境によりマッチするのはどちらか選択していただく形としました。

ご提案A(Core i7)

シングルスレッドでの処理能力を重視した構成です。TurboBoost時には、カタログスペック上、クロックが4.4GHzまで引きあがります。

Core i7の場合、クロックが高く、価格も安価に抑えることができますが、ECCメモリが利用できないというデメリットがあり、誤データの訂正が行われない点に注意が必要です。また、この構成では搭載可能な最大メモリ容量は32GBまでとなっています。

ご提案Aの主な仕様:

概算:26万円
Core i7-4790K (4.00GHz,4C/8T) / メモリ32GB / SSD512GB / GigabitLAN / DVDスーパーマルチ / NVIDIA Quadro K600 / 600W ミドルタワー筐体 / Windows 7 Pro

ご提案B(Xeon版)

ECCメモリを利用可能な Xeonの1CPU構成をご提案しました。

Core i7の構成よりもクロックは落ちますが、(この構成ではTurboBoost時には、クロックが4GHzとなる見込みです)規模の大きい計算を精度高く、長期に渡って行う場合には、ECCメモリを搭載できるXeonの構成が望ましいです。またこちらの構成は、メモリ交換による増設が可能です。

ご提案Bの主な仕様:

概算:43万円
Xeon E5-1660v2(3.70GHz,6C/12T) / メモリ32GB / SSD512GB / GigabitLANx2 / DVDスーパーマルチ / NVIDIA Quadro K600 / 600W ミドルタワー筐体 / Windows 7 Pro

今回はメモリの重要性を優先し、ご提案Bをベースにお話が進み、さらに発展した下記「提案C」という形で決定となりました。

ご提案C(Xeon版+トータルパフォーマンス)

ご提案Bをベースに、ご予算80~90万円の中で、各パーツのアップグレードを行い、性能の底上げをしたいとのことでしたので、メモリの増設、ビデオカードのクラスを上げ、SSDをPCI-Eタイプの高速・高耐久性モデルとしています。

ご提案Cの主な仕様:

概算:83万円
Xeon E5-1660v2(3.70GHz,6C/12T) / メモリ64GB / Intel P3600 / GigabitLANx2 / DVDスーパーマルチ / NVIDIA Quadro K4200 / 850W ミドルタワー筐体 / Windows 7 Pro

なお、どの仕様も排熱と騒音のバランスを取り、水冷ユニットを搭載しています(この記事の最上部にあるタイトル写真参照)。

今後もテグシスWEBサイト上ではご紹介しきれないような複数提案の事例を少しずつご紹介していきたいと思います。